相続時精算課税制度とは?この制度を選択するときのリスクについてご紹介します!

不動産コラム

少しでも早期のうちに、次の世代に財産を移転したい。
このようにお考えの方はいらっしゃいませんか。
そんな場合は相続時精算課税制度がおすすめです。

そこで今回は、相続時精算課税制度に関する情報をお伝えします。
また、この制度を利用する際のリスクについても解説するので参考にしてください。

□相続時精算課税制度とは?

「相続時精算課税制度」とは、親や祖父母から子や孫への生前贈与に関して、選択可能な制度です。
この制度は、60歳以上の親や祖父母が18歳以上の子や孫に対して贈与する場合に利用できます。

贈与時には、贈与される財産に対する軽減された贈与税を支払います。
そして、将来の相続時には贈与した財産と他の相続財産を合算し、すでに支払った贈与税を考慮して相続税を精算します。

この制度には、最大2500万円の特別控除が存在し、同じ親や祖父母からの複数回の贈与でも、制度の枠内であれば何度でも控除を適用できます。
この特別控除を用いることで、2500万円以下の贈与には贈与税が課されません。

ただし、贈与額が2500万円を超えた場合には、超えた額に対して一律20パーセントの贈与税が課税されます。
しかしながら、この課税された贈与税は将来の相続税額から差し引かれるため、相続税額が少ない場合には差額が返還されます。

□相続時精算課税制度の選択によるリスクとは?

それでは、相続時精算課税制度を選んだときの3つのリスクについて解説します。

1.一度選択すると取り消せない
相続時精算課税制度は、一度でも利用すると、その後に暦年課税に変更することができません。
ただし、これまでの相続時精算課税制度は贈与税の基礎控除が利用できませんでしたが、2024年からは110万円以下の基礎控除が創設されました。

2.贈与時の評価額によって不利になる
この制度は、贈与された財産の評価額を元に相続税を算出する仕組みです。
したがって、贈与時の評価額よりも財産の時価が減少している場合、余分に相続税を支払うことになるかもしれません。

3.小規模宅地等の特例が適用されない
小規模宅地等の特例は、故人が居住用または事業用に利用していた宅地などの一部について、特定の面積までの範囲内で相続税評価額を最大80パーセント減額できる制度です。
この特例を利用できなくなるので、あらかじめ注意が必要です。

□まとめ

今回は相続時精算課税制度に関する情報をお伝えしました。
2500万円までは無税で贈与できるので、早期のうちに次世代に財産を移転したい方におすすめの制度です。
ただし、一度でも制度を適用した場合は取り消せないので、しっかりとリスクに関しても知っておくことが大切です。