「風致地区の建築条例」と聞いて、意味が分かる方は意外に少ないのではないでしょうか。
京都市の不動産売却をご検討の方は、京都ならではの風致地区の建築条例に関して知っておく必要があるでしょう。
そこで今回は、京都市の風致地区と、風致地区の建築条例についてご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
□京都市の風致地区とは?
「風致地区」という言葉は普段耳にする機会が少ないかと思いますので、まずは風致地区についてご紹介します。
京都市には、後世に引き継ぎたい風致が多く存在しますよね。
このような、自治体や地域住民が協力して守るべき風致ある場所を、都市計画法に基づいて風致地区と定めているのです。
また、京都市は風致地区を維持するために、京都市風致地区条例で規制を定めています。
具体的には、風致地区で以下の行為をする場合、市長の許可が必要となります。
・建築物などの新築及び改築など。
・宅地造成や土地の開墾など。
・木竹の伐採。
・土石などの採取。
・建築物等の色彩の変更など。
上記において市長は、「風致と調和しているか」などの基準をクリアしている場合に、建築行為を許可します。
そのため、京都市の風致地区で建築物等を建てる際には、建物の高さやデザインなどに配慮が必要となり、それによって京都の美しい景観は守られているのです。
□風致地区の建築条例をご紹介!
まずは、容積率制限です。
容積率は敷地面積に対する延床面積の割合のことを指し、どこの地域でも基本的に制限が設けられていますが、その制限がより厳しくなります。
例えば、東京都では200~1300パーセントの容積率の規制がかかっていますが、京都市は上限が700パーセントと定められています。
通常、新築マンションは近隣商業の近くに建てられることが多いですが、最もビルが密集する地域でも容積や高さ制限があるため、高層ビルやタワーマンションは建てられません。
次に、京都中心部の高さ規制です。
京都市には先ほどご紹介した容積制限に加えて、さらに厳しい高さ制限も存在します。
京都の景観を阻害する建物を建ててはいけないという趣旨に基づき、からすま通りや五条通りなどの大通りに面した土地でも、建築物の高さは31mまでに制限されています。
31mは、おおよそ10階建て相当の高さです。
このような建築制限により高層住宅が建てられないので、京都は東京や大阪と比較して賃貸物件の供給戸数が大幅に少ないです。
しかし京都という好立地かつ需要の安定性から見ると、不動産価値は大変高いと言えるでしょう。
□まとめ
今回は、京都の不動産を売却しようとお考えの方に向けて、京都市の風致地区と風致地区の建築条例についてご紹介しました。
この記事が皆さんの参考になれば幸いです。
その他ご質問や相談等ありましたら当社までお気軽にお問い合わせください。